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土育とは?
桜興業では、植栽を実際に施工するという業務と、その基礎となる土を採取、販売するという両方の業務を行っています。
その両面から土というものを考えるときに掲げているものが、「土育」というテーマです。これは、造語ですが、よい土を育み、よい土で育てるという意味です。
よい土を追求し、当社樹木医が開発したのが「さくら土」です。
木質性チップを中心に、植物性のものにこだわった堆肥と山砂を独自の比率で混合することで、根にとってやさしい土が完成しました。土壌分析の専門機関による試験においても「優良」と認められ、草花や野菜、樹木など様々な植物にご利用いただけます。
※ただし、各植物によって必要な栄養素は違うため、不足分は追加で肥料として与えてください。さくら土にはあくまで、平均的な養分が含まれております。どの栄養素を追加したらよいのかなどは、樹木医がアドバイスすることも可能です。お気軽にご相談ください。
よい土を育み、よい土で育てる3つのポイント
まずはじめに
大昔、人間は山の中で樹木と共に生活をしていました。それが時を重ね、進化にあわせて、山から離れて生活をするようになりました。元々は私たちも樹木も、山出身者ということです。都会へいった人間が故郷を懐かしむように、私たちは生活環境が変化しても、自然を感じていたいと思います。ならば住宅の周辺に自然を再現しよう、ということで造られたものが、庭の始まりなのです。
①土で育てることの必要性
庭に植栽をするということは、山に生えている樹木を、本来生えていたところからお引越しさせるということになります。新しい環境で、元気に育てるためには、できるだけ、本来の生活環境に近い状態をつくってあげなくてはなりません。
本来、樹木は、土に根を張り、そこから水分だけでなく、様々な栄養を吸収し、大きく生長をしています。また土の中にいる微生物や菌類と生態系を作って生活をしています。ということは、樹木の生長は、いかに根にとっていい環境を作ってあげられるかどうかが勝負になってきます。最近はやりの礫工栽培などでも、樹木は生長することが可能ですが、土からしか得られない養分があることや、本来の生活環境に近い状態を再現できるのは、やはり土で育ててあげることなのです。
②よい土の定義
よい土とは、根にとってよい土のことです。簡単にいうと、柔らかい土であることが重要になってきます。
土が柔らかいと、
・植物が根を張りやすい。
・保水力があり水はけが良い。
・空気が通りやすい。
・保肥力があがる。
・植物に必要な菌類の住処ができる。
などのメリットがあります。
こういった柔らかい土を作るために必須の条件が団粒構造と呼ばれるものです。 団粒構造とは、土と土が粒上になって隙間を作っている状態です。
単粒構造のような固い土には隙間がありません。雨が降れば泥状になり流れ、渇けば固くなります。排水性が悪いため、水が抜けずにこの写真のように根腐れを起こして枯れてしまうこともあります。一方、団粒構造の整った土なら隙間が多いので雨が降れば水を吸収・保水して、晴れの日で表面だけ渇いても深いところでは水分をしっかり含んでいます。この状態まで来ると土は水分だけでなく植物の栄養素を保つ力、保肥力も発達していきます。
③よい植栽環境をつくる方法
団粒構造をつくるのは実はとても簡単なんです。単粒構造である山砂に、完熟堆肥を混ぜてあげるだけでいいんです。
ただし、化学肥料ではなく、植物性のもので、かつ完熟したものを使用してください。
理由としては、化学肥料による一種の薬害状態により、土の中の微生物が死んでしまうからです。そして完熟堆肥でなければいけないのは、未完熟状態の堆肥は、根にとって有害な菌類も含んでいるからです。
これらを注意していただくだけで、あとは土の中の昆虫類や、微生物、菌類が土の中を移動したりすることで、自然と団粒構造ができていき、樹木にとっていい土が出来上がっていきます。